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【公開メンタリング・開催レポート】なぜ起業家は課題を見誤り、スタートアップを「失敗させてしまう」のか

かつて田所は「スタートアップ起業家としてやってはいけないこと」を全てやってしまい、ビジネスパートナーには夜逃げされ、会社も畳まなくてはならないという事態に陥った経験があるといいます。


「自分と同じような過ちを繰り返して欲しくない」


その想いで田所は、弊社CSO(Chief Strategy Officer)の清田とともに現在のメンタリング活動をするようになりました。


しかし国内のスタートアップ起業家たちは、かつての田所のように「起業家としてやってはいけないこと」を繰り返しているといいます。


どんなに本を読んだりセミナーを受けたとしても、起業課題を的確に捉えられるかどうかはまったくの別問題。課題を間違えれば、解決策もズレ、資金も尽きてしまいます。



もしあなたが起業を考えているのであれば、聞かせてください。


「あなたは、メンタリングを定期的に受けていますか?」



シリコンバレーを始めとした、スタートアップが育つ環境では必ずメンターという存在がいて、定期的に「メンタリング」が実施されています。


一言でいえば、経験豊富な先導者によるアドバイスや、ディスカッションを通じた自律的な成長を促すセッション。これをメンタリングといいます。


あなたが起業で成功したいのであれば、これから資金調達に始まり、プロダクト開発、マーケティング戦略、ブランディング、セールス、規制対応、法務……といった数々の課題を超えていく必要があります。


しかも、資金がショートする前に「課題」を的確に捉え、スピーディーに解決していく必要があります。一瞬の遠回りも許されません。


だからこそ「メンタリング」が必要なんです。



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今回メンタリングをするのは、世界で累計5万シェアされたスライド『Startup Science』の著者田所と、グローバル規模の全社戦略、経営戦略など幅広い事業・プロジェクトに従事してきた清田の二人です。


弊社、ユニコーンファームの2017年創業以来、これまで26社が累計約30億円の資金調達額という結果が私たちの支援によって生まれています。


世の中には「なんちゃってメンター」が少なからずいます。つまり、正しい助言をしているかどうかは定かではないところがあります。


そこで私たちは、田所と清田のメンタリングの様子を記事として公開し、実際に日々どのようなメンタリングが行われているのかをお見せすることにしました。


もし「田所と清田のメンタリングは本物だ」と感じたのなら、迷わずメンタリングを受けることをお勧めします。


限られた資金の中で、的確に課題を捉え、スピーディーに解決していくために。



9割の起業家は「目隠しダーツ」で失敗する。
事前にわかるはずの原因をなぜ潰さないのか?


今回、メンタリングを体験する起業家は、株式会社SHO-CASE代表取締役、髙村勇介(こうむら・ゆうすけ)さん。


これまでイベントや展示会、店舗内装を手掛けるディスプレイ業界で現場監督をしてきた経験から、業界課題を解決するプロダクト(SHO-CASE)を開発しました。



職人の高齢化による人手不足と、残業に伴う煩雑な書類業務。


これらが課題となり、生産効率の低下や事故などの問題も頻出しているといいます。


そこで高村さんは、スマホでQRコードをスキャンするだけで現場の人数を把握し、生産効率などの数値データを集めるSaaS型のプロダクトを開発しました。


今回の相談内容は「競合優位性」について。


QRコードでの入退場管理機能は珍しいものではなく、大きな会社にマネされた場合に太刀打ちできないのではと懸念があるといいます。


それに対して田所は、誰もが予想しなかった「PMF(Product Market Fit)」に関する質問を髙村さんに投げかけます。


課題はどのように解決していくのでしょうか?


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田所:「競合優位性」についての相談ということでしたね。その前提にはPMFすることが一番の軸になると思うのですが、髙村さんはPMFをどう捉えていますか?


髙村:えっと……。それはどういう意味においてでしょうか?


田所:教科書的な定義でいうと「人が欲しがるものを作る」ってことですよね。でもSHO-CASEのプロダクトを導入する際に「髙村さんが提案するなら使うよ!」という話になるとしたら、それって再現性がないですよね。


髙村さんが毎回入らなくても導入が進み、自然と使ってもらえて、最終的に満足してもらえることが大事なんです。ところで髙村さんは、このプロダクトを使ったユーザーが満足した状態って、どう定義していますか?


髙村:私の仮説は、事故の現象と生産性能の数値化です。ディスプレイ業界はデータを紙で管理しているので、現場の人数を正確に出せない現状があります。これを「SHO-CASE」では正確な数字が出せるので、売上を割る形で生産性も計算できます。


田所:そうですよね。さらに言えば、それらの成果を実感するまでには少なくとも3ヶ月~半年は利用してもらう必要もありますよね。


その時に大切なのは、ユーザーの満足度が高まっていく様子を「定量できちんと表せますか?」ということなんです。



田所:皆さんが使うサービスに、FacebookやInstagram, Zoom などがあると思いますが、最初はエンゲージメントが低かったと思うんですよ。それがいつの間にか、Zoom がないと仕事ができない……なんていう状態になる。


プロダクトというのは使う本人に自覚がなくても、徐々に図にあるような階段を上っているわけです。同時に、それぞれのレベルで越えなくてはならないハードル(赤い線)があります。


SHO-CASEのプロダクトを買ったけれど、スキャンができない、習慣化できない、翌月になったら使い方を忘れた……なんてこともありえますよね。それに対して適切なソリューションを提供することでエンゲージメントが上がるわけです。


高齢者でもわかるチュートリアルを用意する、ログインがなければ電話するなど、色々できますよね。


こういった定性的なことを、“定量” で計測できるかどうかが、髙村さんが課題に感じている「競合優位性」の面でもすごく重要になるんですよ。



田所:これは実際に運用しているスプレッドシートのデータです。エンゲージメントが高まっていく様子を点数化し「定量」でわかるようになっています。つまりスコアが上がれば上がるほど、ユーザーは満足するってことです。


ここで大事なのは、もしスコアが上がっているのに継続率が下がったり解約があるのであれば、指標が間違っているということです。つまり、自分の考える成果と、ユーザーの求める成果にズレがあることを意味します。


「PMF(Product Market Fit)」の状態というのは、スコアが相関しているかどうかで判断します。


高村さんではなく、誰が運営してもスコアが上がる仕組みを作ることが、まさに「競合優位性」です。このPDCAが回り始めたら、大手の競合が参入してきても時差が生じますよね。


僕がよく言うのは、テクノロジーやプロダクトはマネすることはできても、顧客との関係性はマネできないってことです。エンゲージメントを高める方法を、自分たちで標準化していくことが最大の「競合優位性」になるんです。


あなたが行動できないなら、その助言に価値はない!?清田の具体的アドバイスで「今すぐ行動」できる!

ここまでのメンタリングを受け、髙村さんは「ユーザーが満足するまでのストーリーを定量面だけでなく、定性面でも作り切れていない」ことに気が付きます。


その一方で疑問も浮かびました。


ユーザーがプロダクトのどこに価値を感じているのかをヒアリングするにあたり、一体何をどのようにインタビューしていけば良いのか?


アンケートを取るにしても、どんな質問項目を並べることが適切なのか。現場検証の具体的な方法について悩み始めたようでした。


どんなに優れたメンタリングでも、あなたが行動できなければ価値がありません。そこに対し弊社CSOの清田から、具体例の提示と助言がありました。



▲実証実験アンケート結果(参考例)


清田:こちらのアンケート結果を見てください。
(※ここで実際は、参考になるピッチ資料を画面共有でお見せしています)


40名に対して実施したのですが、2箇所に「97.5%」の結果が映っていますよね。ユーザーが感じている価値を、定性と定量で示したわかりやすい事例だと思います。


「相談援助の質が上がりそうかどうか」の質問に対して高い数値結果が出ているので、ここを磨いていけばユーザーはさらに熱狂的なファンになってくれることを意味しています。中長期で考えれば、資金調達の際にも自分たちの強みを定性/定量で出せると非常に強力です。


こういったアンケートを結果を得るには「適切な質問」が大切です。


手法はいくつかあって、親しい人にどれぐらい勧めますかと尋ねるような「NPS(ネットプロモータースコア)」もあれば、どんな機能があれば2倍の価格でも利用しますかと尋ねる「示唆質問」もあります。


こちらも具体例を見せますね。こちら、Google Forms 見えますか?



清田:大事なのはここ、画面最初の質問です。


「現在は無料版で提供していますが、実際のご利用料金は10,000円で提供しております。ご利用料金は高いと思いますか?」


ここに対して「妥当なので購入したい」「価格は妥当だが購入しない」というのを聞いていきます。現場の適正価格に対して「10,000円」が高いようであれば今度「どんな機能があれば払ってもいいですか?」と聞く。


これをまとめていくんです。



清田:この事例では「10,000円は高いが、2,000円ならば払う」という結果が出ています。しかし、起業サポートやコンサルティングがあるなら10,000円でも払う、会計サポートとの連携があれば追加で払うとあります。


このように、価値を感じてくれているポイントに対して優先度を付けて開発、ブラッシュアップをすればいいわけです。明確にどこにキャッシュポイントを感じているかを聞いて、優先度を付けていく。


イメージできましたでしょうか?



「自分で考えてやってみます」と答える9割の起業家はスタートアップで成功しない

株式会社SHO-CASEの抱える課題に対して、田所による「もっとも注力すべきポイント」に対してのメンタリングと、清田による具体的な実践アドバイスがありました。


髙村さんは「競合優位性」に課題を感じていましたが、それらは「PMFの捉え方」によって解決の方向が示されました。そして重要なことは、これらのメンタリングは、SIPに基づいた科学的なメソッドだということです。


650の質問をベースに、あらゆる事業の課題を捉えるスナップショットを用いて、客観的、戦略的、具体的にあなたが「今やるべきこと」を明確に見極めます。


ところで、「自分で考えてやってみます」と答える9割のスタートアップ起業は失敗します。なぜか?


起業家の当人は、目の前で起こる問題とプロダクト開発に集中してしまい「部分最適」になってしまうからです。


そうではなく、起業をうまくいかせるのは「全体最適」です。そのためには外から専門家にメンタリングをしてもらうことが重要。客観的、戦略的、具体的な「課題発見と解決策」は、メカニズムの観点から「起業家本人にはムリ」なのです。




今回の公開メンタリングでも、髙村さん自身が認識している課題と、全体図から俯瞰して見たときの「本来の課題」とギャップがないかどうか、それに対する解決策の方向性はズレていないかどうかの見極めがていねいに行われていました。


読者の皆さんは、髙村さんの考えていた「競合優位性」の課題解決のカギが、PMFの捉え方や科学的なエンゲージメントの高め方にあると想定できたでしょうか。


多くのスタートアップは、これが経営者自身の「最初の起業」であることがほとんどです。


お金を中心に、リソースが限られているからこそ、ムダ打ちはできない。起業前、起業初期だからこそ、メンタリングが重要なことに気づけたと思います。


3ヶ月に一度、田所のメンタリングを受ける方法


今回、メンタリングを受けた髙村さんも「スタートアップ経営者塾」のメンバーの一人。


・250本の塾生限定動画の配信(見放題)

・数ヶ月に1度の田所による直接メンタリング

・週2回開催されるオンライン勉強会


など、スタートアップを支援する取り組みが充実する環境の中で成長してきました。塾生の80%以上が現役起業家のコミュニティで、あなたも事業を見直しませんか?



今なら受講費が初月無料になるキャンペーン実施中。


月々10,000円の参加費で、


・このままのやり方でPMFできるか不安……

・同じ成長ステージで相談できる仲間がほしい……

・専門家に相談しながらステップアップしたい……


といったお悩みを解決します。






現役メンバーの声



SCG 伊藤 賢治代表


新型コロナウィルスによる緊急事態宣言によって、リラクゼーション店の運営事業が全てストップ。大赤字の大変な時期を乗り越えるため、田所さんのメンタリングをきっかけに事業の立て直しを図りました。


僕はスモールビジネスとスタートアップの違いすら知りませんでした。世の中にある様々な機関が実施する起業セミナーは「スモールビジネス向け」ではないでしょうか。僕のやっていること、やっていきたいことがスタートアップだったと気づいた時、もっと早くに相談できていたらと思ったんです。


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パートナーサクセス 永田 雅裕代表(手前左)


当時、大企業の新規事業を戦略からご支援させていただいており、田所さんの新規事業の知見を知りたいと思って1dayセミナーを受講しました。田所さんが公開しているスライドや書籍の内容だけでは伝わらない微妙なニュアンスが明確になりました。


その1年後、田所さんが総監督を務めるアクセラプログラム「B-SKET」を受けました。そこで多くの課題に気づかされ、私たちの事業は大きく進化しました。それまで自分たちがいかに曖昧に「PMFしないとね」「カスタマーサクセスしないとね」と、定義も疎かにふわっと取り組んでいたのかを思い知らされました。


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講師プロフィール

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代表取締役社長 田所 雅之

これまで日本と米国シリコンバレーで合計5社を起業してきたシリアルアントレプレナー。シリコンバレーのベンチャーキャピタルのベンチャーパートナーを務めた。現在は、国内外のスタートアップ数社の戦略アドバイザーやボードメンバーを務めながら、事業創造会社のブルーマリンパートナーズのChief Strategic Officeを務める。世界で累計5万シェアされたスライド”Startup Science” の著者である。


CSO(最高戦略責任者) 清田 享平

18歳でイギリスにサッカー留学し、現地プロサッカーチームでプレー。University of Essex (Essex Business School)入学し、上位5%の成績で卒業。Goldman Sachs、Boston Consulting Groupインターンに加え、Google Campus Londonにて現地のスタートアップ実務を経験。

外資系戦略コンサルティングファームに勤務し、全社戦略立案、ファイナンス業務に従事し、その後はメルカリにてグローバルHRとして組織成長に貢献。Blabo取締役COOとして経営マネジメント(M&A経験、ウェルモCSO兼グローバル事業責任者として全社戦略立案、資金調達、海外事業に携わり、2020年6月に株式会社Acrosuperk設立。