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いかにして強い組織を作るか

Q1:CXOにとって「人材」に関する重要な能力を一つあげるとしたら、何でしょうか?

A1 : スタートアップのCXOには「自己認識能力」が必須です。しかし、多くのCXOは自分のことや自社のことは意外と知りません。自分のことがよくわからなければ他人のことがわからず、他人からも理解されないのです。CXOが自己認識能力が低い、つまり自分のことがよくわからない状態の組織だと、諸々が属人化してしまい、環境の変化があった時にコミュニケーションが取れず、素早く反応することができません。

私自身、シリコンバレーで起業に失敗した後の5年間の内省の末に『起業の科学』を生み出しました。自分自身の傷を見つめ直すのは辛い作業なので、ほとんどの人がやりません。しかし、やった人だけが気づくことがあり、それは経営にとっては非常に大切なことです。

自己認識には「内面的自己認識」と「外面的自己認識」があり、CXOはメンバーと連携してエンゲージメントを引き出すために、両面の認識力を持つことが成功の鍵となります。

Q2 :  いい人材が採用できないことで、PMFが達成できていても会社が潰れることがあるのでしょうか?

A2 : CXOにとって大切な能力の一つは、初期にメンバーとしてどれだけ魅力的な人を集められるかということですが、これはCXO自身の自己認識ができていないと不可能です。

いい人材の採用は、トップの魅力とメッセージによるところが大きく、逆にいうと、CXOが、自分が外からどう見えるかを魅力化できれば、採用力も内定力もリテンションも高めることができます。

 私がおそらく誰よりも多くの起業家・事業家を見てきて思うのは、ちゃんと愛情を受けて育ったかどうかが、事業の成功の如何に大きく影響するということです。愛されて育った人は自己認識能力が高い傾向があります。

とはいえ、自己認識能力は後天的に伸ばすことができます。

 自己分析に使用する心理学に「ジョハリの窓」がありますが、CXOは特に「開放の窓」(自分も他人も知っている自分の性質)を広げていく意識を持つことが重要です。具体的には、自身の強みだけでなく弱みも客観視して明確にし、それをメンバーと共有していきます。

Q3 : 「スタートアップゴレンジャー論」が非常に興味深いのですが、5人揃わないと成功できないのでしょうか?

A3 : PMFを達成できたら、強い経営チームを組成することが第一優先になります。その時にどのような人材を採用するかにCXOの力量が問われます。

 私は人材は大き4つに分かれると考えていて、それぞれをWhy型、What型、How型、Who型と呼んでいます。創業チームにはWhy型(ボケ)とWhat型(ツッコミ)という機能を持たせることが有効だという「ボケツッコミ論」を持論としていますが、フェーズが進むにつれて必要な人材は変わるので、ビジョンは共有しながらも、スキルや思考が異なるメンバーを集めなければならなくなってきます。

 私はボケツッコミ論を少し拡張した、経営チームを組成するための一つの指針である「経営チームゴレンジャー論」を唱えています。
成長するスタートアップはゴレンジャーチームを組成できています。

・アカレンジャー:情熱とパッションを持ってチームを引っ張れるリーダー(CEO/COO)
・アオレンジャー:冷静にプロダクトを作ることができるハッカー(CTO)
・キレンジャー:チームビルディング/採用などHR周りのスペシャリスト(CHRO)
・モモレンジャー : 人が思わず使ってしまうプロダクトをデザインできるヒップスター(CDO)
・ミドレンジャー:冷静でリアルな成長戦略を立てることができる参謀(CFO/CSO)

 有機的な共同体であるためには、補完することが大切ですが、CXOに自己認識ができていないと、似た者同士が集まってしまいます。
ちなみに、いいチームには「キレンジャー」つまり「人」に強い人がいます。キレンジャーは人を惹きつけます。伸びているスタートアップには初期からキレンジャーがいます。

Q4 : モチベーションとエンゲージメントは、どちらがどのような状況で重要になるのでしょうか?

A4 : まずは言葉の定義をすると、「モチベーション」は個人の中で醸成される意欲ややる気を引き出す動機付けです。一方で、「エンゲージメント」は関係性の質や組織に対する自発的な貢献意欲です。

モチベーションとエンゲージメントは、起業家が事業家になるプロセスとつながっています。起業家から事業家に成長するまでには自己実現する必要はありますが、自己実現の段階では事業は成功しません。事業は利他欲求の段階にいる必要があるからです。

事業には人材の連携の度合いの強弱によって、柔道団体戦型(コンサル、始業など)とサッカー型(SaaSやプラットフォーム型事業)に分かれます。
前者は各人のパフォーマンスが重要なので、高いモチベーションが優先されます。
一方、後者においては各人のモチベーションよりもエンゲージメントが重要になります。自分の生きがい、ミッションと、組織としてのミッションがどれだけ接続しているかが、エンゲージメントの強さと相関します。

ビジネスモデルによって異なりますが、PMF後のスタートアップにおいては、MVV、CS、カスタマージャーニーなどそれぞれに対して自分がどうコミットしていくか、その世界観と自分をどう接続するかがエンゲージメントの度合いを決定します。 

Q5 : 田所さんが考える「強い組織」とは?

A5 : 企業を取り巻く環境が大きく変化している中で、"いかにして強い組織を作っていくか"がスタートアップの命運を決めると言っても過言ではありません。

私が考える強い組織とは、規律性(律してコミットする力)が高く、かつ創造性と柔軟性をバランスよく持っている組織です。さらにしっかり実行し、やりきる力のある組織が最強です。

規律性と柔軟性は一見相反しますが、この両側を持っている組織は機能として設計していくので、命令しなくても良い組織になります。命令は内発的欲求ではありません。マネジメントも必要ですが、まずは内発的であることが前提となります。

カスタマーサクセスも大切ですが、エンプロイーサクセスも非常に大切です。エンプロイーサクセスを向上させるためには、社員一人一人の自律性を高めながらも創造性も高める仕組みを設計することが非常に重要です。