「社長への第三の道——ゼロイチ起業か、買収起業か——」イベントレポート

2025年6月10日、株式会社ユニコーンファームと株式会社日本サーチファンド(J-Search)の共催で、オンラインセミナー「社長になる —買収起業か、ゼロイチ起業か—」が開催された。登壇者は『起業の科学』著者でユニコーンファームCEOの田所雅之と、日本サーチファンド(J-Search)代表取締役の大槻昌彦氏。約2時間にわたる熱い議論から、「社長になる」という選択の本質が浮かび上がった。

田所はゼロイチ起業を「ストリートファイト」と表現した。ルールのない戦場でルール自体をつくり出す営みであり、成功の確率は体感値で2〜3%に過ぎない。一方で、ChatGPTが広告費ゼロで2ヶ月後に1億ユーザーを獲得したように、プロダクトマーケットフィット(PMF)を達成した瞬間のリターンは青天井だ。ただしPMFは一度達成したら終わりではなく、市場の変化に合わせて絶えず更新し続ける必要がある。スタートアップ起業家に求められるのは、圧倒的なビジョン、リスクテイク、そして曖昧さへの耐性だ。

一方、大槻氏が率いるJ-Searchが推進する「買収起業」は、まったく異なる“競技”と言える。日本では今、約127万社が後継者不在で、そのうちの多くが黒字にも関わらず将来的に廃業のリスクを抱えている 。この「大廃業時代」に、経営者志望の個人(サーチャー)が投資家から資金を調達し、既存企業を買収して社長となるサーチファンドというモデルが注目を集めている。大槻氏はサーチャーを「アスリート」と表現した。ルールが定まった競技の中で、世界一を目指すビジネスアスリートだ。

J-Searchが特に重視するのは、学歴や職歴よりも「地方への熱い思い」だ。30〜50代の多様なキャリアを持つ人材が対象で、売上10億円前後の地方優良企業を主な投資先としている。地域金融機関と連携した「地域特化型」のアプローチが、J-Search最大の差別化ポイントだ。

買収後の成功の鍵は「順番」にある。就任初日から自分の哲学やKPIを押しつけると組織が硬直する。まずオーナーや社員の話を徹底的に聞き、信頼関係を構築したうえで、冷静な分析に基づく変革を実行する——この順番を守れるかどうかが、サーチャーの命運を分ける。

「ゼロから起業する」か「会社に留まる」かの二択だった時代は終わった。買収起業という「第三の道」は、自分のポテンシャルを最大化しながら日本の地方創生にも貢献できる、まったく新しいキャリアの選択肢だ。J-Searchでは随時、志あるサーチャー候補の問い合わせを受け付けている。

▶J-Searchで経営者になるには?
 J-Search 

関連記事

TOP