事業開発

官民手続きにおける「紙」前提の非効率をDX化。官民共創プラットフォーム実現を支援するメンタリングの実施

 

富士フイルムシステムサービス株式会社
公共事業本部 ソリューション推進部 ソリューション企画グループ
グループ長 吉井様

https://www.fujifilm.com/fbss/

富士フイルムビジネスイノベーションの100%子会社であり、全国の自治体および企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを提供。自治体・公共機関向けのソリューションでは、戸籍総合システム、コンビニエンスストア証明発行システムにおいて圧倒的シェアを誇り、導入からサポートまでの一貫したサービスは、全国の多数の自治体に高い評価を得ている。

新規事業開発の悩み。辿り着いたユニコーンファーム

──まずは、現在の取り組みについて教えていただけますでしょうか?

私たちは、自治体様と民間企業様における官民手続きのDX化に関する検討を進めております。その中で、2022年11月に発表したのが「住民票の写しオンライン請求システム(仮称)」に関するプレスリリースです。

下記の図で示すように、これまでカード会社や保険会社は、債権の回収や債務の履行を目的として、対象者の現住所を確認するために、自治体に対して郵送で対象者の住民票の写しを請求する必要がありました。

引用元:https://www.fujifilm.com/fbss/news/news_221130

そこで2022年12月、「法人から自治体への住民票の写し請求業務のデジタル化」を実現するために必要な「システム仕様」や「運用方法」等を意見交換するために、自治体10団体、民間企業7社と共同検討を行うワーキンググループを発足しました。検討内容を踏まえ、2023年度中のトライアル稼働を目指します。

──ユニコーンファーム田所を知った経緯とご依頼の理由について、詳しく教えていただけますでしょうか?

ソリューション企画グループは全員で10名弱の小さなチームのため、リソースが足りない中で新規事業を立ち上げる必要がありました。仮説検証は繰り返すものの、進め方に関しては常に迷いがありました。そんな時に辿り着いたのがユニコーンファームです。田所さんのことは著書である『起業の科学』で知りまして、個人的に何度かオンラインセミナーなどにも参加させていただきました。

いつか力をお借りしたいと機会を見計らっていたところ、複数の検討中ソリューションが具体化しはじめましたので、定期的なメンタリングをお願いさせていただきました。

2021年3月には課題仮説やソリューション仮説についての相談を、同年9月にはマーケティング施策に関する相談をさせていただきました。2022年10月にはメンバー全員の新規事業に対する知見の底上げをする狙いで、「起業の型を身につけるワークショップ」を社内開催しました。

非常に評判が良かったので、当日のワークショップに参加したメンバーの感想を一部ご紹介したいと思います。

講義にもあった通り、課題が希少である中で課題を見出していくためには、市役所や県庁に訪問して手続きを行う利用者目線の考え方、体験をとことん考えていく必要があると感じています。お客様である自治体に訪問する中で、待合いスペースや窓口の利用者の属性や手続きの種類などの実データを取り、潜在的にある課題を見出していきたいと思います。

新規の案出しで大切なことは、アイデアのひらめきでも、発想力が豊かなどの才能でもなく、徹底的な顧客体験に基づくことだと学びました。

非常に学びが多かった講座でした。新規事業の型ということで色々な観点から具体的な事例を踏まえたルールや考え方、取り組むスタンスを学ばせていただきました。田所さんが、色々な話題に対して「それについては面白い事例があって……」と驚くほど多くの引き出しからお話をいただいたのが印象的でした。

新規事業の壁を「本気で乗り越えたい人」に有効

──継続的にご依頼をいただいております。どのような点を評価していただいているのでしょうか?

一言で表すと、1回のメンタリングで大きな気づきが得られることです。短い相談時間の中でも瞬時に課題を導きだし、アドバイスをいただくことができます。多くのスタートアップ企業や新規事業の支援をしてきた経験の豊富さゆえだと思いますが、毎回その知見の多さには驚かされています。

──具体的には、どのようなアドバイスがありましたか?

「住民票の写しオンライン請求システム(仮称)」は、自治体と請求事業者の両方から利用していただくことで成立するプラットフォーム事業を想定しています。

田所さんは具体的なプロットを描き、分岐点がどこで、どう展開させていけば良いかなど、次のアクションを示してくれます。メンタリングを受ける度に、自分たちが今やるべきことが鮮明に、クリアになっている感覚がありました。

△メンタリングで使われた資料(一部抜粋)

これは私だけの感覚だけでなく、チームメンバーや見学に来ていた他部門の部門長からも、似たような評価をもらっています。ケーススタディを通して学べる事例や、エビデンスに基づく客観的なアドバイスなど、知識の豊富さや精度の高さに驚きの声があがっています。

今後も可能であれば、クォーターごとにメンタリングに入っていただき、私たちの捉えている課題認識は正しいのか、それ以外に課題は無いのかなど、セカンドオピニオンのような形で支援をしていただければと考えています。

──どのような企業・人にとって、田所のメンタリングは効果的だと感じますか?

具体的な案件をすでに抱えている場合には、より効果を実感できると思います。何度も仮説検証を繰り返し、本気で壁を乗り越えようとしている企業・人にとって、田所さんのメンタリングは突破の鍵となるはずです。

私たちも田所さんに伴走していただくようになり、まもなく2年が経ちます。改めて感じるのは、新規事業の立ち上げには「型」があるということです。自社に知見がなければ、適切にガイドをしてくれる外部の支援は求めたほうがいい。その時に、田所さんのメンタリングは大きな力になると思います。

官民共創で推進する「法人から自治体への住民票の写し請求業務のデジタル化」の実現に期待

──今後さらに、田所へ期待することを教えていただけますか?

私にとって田所さんは先生のような存在なので、「期待」という表現にお答えするのは少し難しいですね(笑)。ただ、ユニコーンファームの掲げるビジョンや田所さんの考え方には共感するところが多くあります。

日本経済が落ち込んでいる中で、ユニコーン企業が次々と生まれる状況は社会的にも大きな価値があると思いますので、一社でも多くの新規事業をこれからも支援して頂きたいです。私は新規事業に取り組む人は、競合も含めて敵ではなく、同志だと考えております。未来を創る「0→1」マン、共創の同志として顧客課題に対して弊社で不足している部分については、一緒に取り組んでいきたいと思っています。田所さんの理論を共通言語として、一緒に会話できる人たちが今後もっと増えたら嬉しいですね。

──最後に、御社の今後の展望についてお聞かせください。

今回の私たちの取り組みは、官民の「紙」を前提とした手続きによる非効率をデジタルの力で解消するものです。「住民票の写しオンライン請求システム(仮称)」は、お客様から『実現できたら夢のようだ!』と、実際にお声を頂くほど、自治体・民間企業双方のニーズが非常に高いサービスになっています。

ただし実現のためには、このプラットフォームに沢山の自治体、民間企業がご参加いただくことが前提となります。目標は1000団体以上のご利用です。ご利用いただく団体様の効果を最大化させるためにも、官民手続きにおける郵送請求業務のDX化を更に推進し、自治体、民間企業、社会全体の「三方良し」を目指して参ります!

「住民票の写しオンライン請求システム(仮称)」は、2023年度中のトライアル稼働を目指しております。その後も、新たな官民のDX推進を考えていますので、田所さんには引き続きお力添えいただきたいと思っています。

今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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