事業開発

大東建託・社内ベンチャー制度「ミライノベーター」にて、審査員を田所が3期連続で担当

 

 

大東建託株式会社 事業戦略室 課長
寺戸 健太郎 様

事業戦略室は、総合賃貸業を核とする生活総合支援企業を目指すための取り組みとして、2020年度より大東建託株式会社(以下、大東建託)の社内ベンチャー制度「ミライノベーター」をスタートさせました。グループの従業員であれば誰でも参加ができる制度で、最終的には役員にプレゼンを行い、採択されると起案者は事業戦略室へと異動。本格的な事業化に向けて実証実験などを専任で行う流れとなります。

社内ベンチャー制度立ち上げに、信頼できる専門家を

━社内ベンチャー制度、「ミライノベーター」の審査員を田所が務めています。ご依頼の経緯を教えてもらえますか?

「ミライノベーター」は、2020年3月に始まった大東建託の新規事業創出プログラムです。背景には、2019年に中長期経営計画として発表された「新5ヵ年計画」が関係しています。

これまで大東建託は、賃貸住宅事業を主軸に事業を展開してきました。しかし、人口減少や世帯数の頭打ちといった社会環境の変化もあり、新たな領域に成長機会を求める方針を固めました。
それが「新5ヵ年計画」です。

「賃貸専業から総合賃貸業へ、そして生活総合支援企業へと成長していく」という
キーメッセージのもと、既存事業の強化に加え新規事業開発に注力してきました。
今後は、商業施設、レンタルオフィス、ホテル、寮など、総合賃貸業への領域拡大をミッションとし、さらにはIoTやMaaS、シェアリングエコノミーを活用した生活支援サービス業まで広げていきます。

※中期経営計画「新5ヵ年計画<令和・新成長プラン>」

各グループ会社や各事業部門とともに、事業戦略室にてそれぞれの事業を数百億円規模の売上にまで積み上げることは難しいため、M&Aや資本業務提携などに加えて、全グループ社員から新規事業の提案を募る、今回の社内ベンチャー制度「ミライノベーター」の立上げに至りました。

この制度は、日常業務の中で埋もれてしまっている新たな事業のアイディアや、その種を持つ人材を発掘し、新5ヵ年計画の売上利益に貢献することを目的としています。

フローとしては、初めに書類選考が行われ、次に執行役員クラスによるプレゼン審査、最後に役員によるプレゼン審査が実施されます。

2022年までに全3回が開催されており、初回で450件以上の応募、累計では822件の応募がありました。防災を忘れさせない非常食のサブスクサービス「ぼくまる防災定期便」や、
賃貸住宅向けオーダーメイドDIYサービス「CODD(コッド)」などは、すでに実証実験で試験的に販売を開始しています。

一定の効果を生みつつある「ミライノベーター」ですが、立ち上げ当初は自社に知見やノウハウがなかったため、外部にパートナーを求めました。それがデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社(以下、DTVS)でした。

同じタイミングで「審査員を誰にお願いするか?」という話題が挙がった際に、DTVSから推薦があったのが田所さんです。選択肢はいくつかあったものの、我々自身に審査員の良し悪しを判断する力がまだありませんでした。であれば、信頼している企業(DTVS)が信頼している方にまずお願いしてみようと考えたんです。

無数の「やるべきこと」を見極め、具体的にアドバイス

━これまで第1期〜第3期と、継続的にご依頼をいただいています。その理由は何でしょうか?

田所さんには、2次審査と3次審査に入っていただいています。毎年、継続的にお願いしているのは、フィードバックやアドバイスが非常に具体的で的確だからです。

特に多様なフレームワークを用いた解説は論理的にも理解しやすく、体系的に事業アイデアを可視化してくださっていると感じます。加えて、田所さん自身が起業家やVCのご経験があるからか、納得感もあるんです。事務局だけでなく、役員からも「審査員を継続してお願いしたい」との声があり、毎年ご依頼をさせていただいております。

━応募者からは、田所のアドバイスに対して何か感想はありますか?

田所さんのフィードバックは、一番わかりやすく腹落ちできると好評です。応募者には審査内容をExcelにまとめたものを一覧で渡しているのですが、複数のコメントが並ぶ中でもっとも次に活かせる内容だと感じてもらえているようです。

新規事業の立ち上げとなると、やるべきことが無数にあり、優先順位を付けるのも難しくなります。アレもコレもやらなければとタスクが積み上がる中で、田所さんは今取り組むべきもっとも重要なことにフォーカスし、行動すべきアクションを知らせてくれる。そういった点が応募者にとっても心強いのだと思います。

また、アイデア段階でも柔軟な発想でアドバイスをいただいています。印象的だったのは、文化財の改修に関するビジネスプランを描いていた応募者に対して、「ゲームと掛け合わせてみても良いのでは?」と提案があったことです。このような視点は、さまざまな事業を数多く見てきた田所さんならではと感じましたね。

少しユニークなところでは、田所さんのアドバイスの際によく使われる横文字に慣れてくると、少ない言葉で多くの情報を受け取れるようになった、という感想もあります。例えば、PMF、Go-to-Market、TAM・SAM・SOMなどです。

私もカタカナや横文字は苦手なのですが、新しい言葉を覚えていくたびに社内に新しい共通概念が生まれいくようで、風土作りのうえでも役立っているのではと感じています。

審査員だけでなく、制度の伴走やメンタリングに期待

━ミライノベーターの、今後の展望をお聞かせいただけますか?

「新5ヵ年計画」では、売上が100億の事業を100個作り、トータルで1兆円の事業を目指しています。その実現には社内ベンチャー制度の継続は欠かせませんし、同時に制度の活性化や風土作りにも力を入れる必要があると考えています。そのためにはまず、実証実験中の案件をいち早く事業化させ、実績を作ることが当面の目標です。

実績ができれば新規事業創出に対する社内外の見る目が変わり、社内ベンチャー制度に挑戦する関係人口が増えるのではと期待があります。大東建託グループの、約1万7500人の社員のアイデアが事業につながっていく未来を描いています。

━今後、ユニコーンファーム・田所に期待することは何でしょうか?

これまで審査員のみをお願いしていましたが、今後は制度の伴走やメンタリングの部分でも力をお借りしたいと思っています。毎年、社内選考を通過して実証実験に進んでいる案件が期を追うごとに増えており、事業戦略室としても今後はより事業化に向けたサポートを強化する必要があると考えているためです。

また、本制度の初期段階から審査員として携わっていただいているため、制度自体や提案内容が向上しているか、客観的にアドバイスいただいており、今後の制度設計にも生かしていきたいと考えています。

田所さんには引き続き、事業化に向けた「ミライノベーター」の一翼を担っていただければと考えています。今後もどうぞよろしくお願いします。

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