▽写真(左より)
株式会社三井住友銀行:滑川様・木原様、株式会社みらいワークス:岡田様
▽取材先
未来X(mirai cross) 運営
株式会社三井住友銀行 木原 梓 様
事業会社パートナー
三井住友海上火災保険株式会社 椋澤 功 様
SMBC日興証券株式会社 磯野 太佑 様
受賞者
インパクトサークル株式会社 高橋 智志 様
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2015年度のスタート以来、SMBCグループはシード・アーリー期のスタートアップに向けてアクセラレーションプログラムを提供し続けてきましたが、2021年に大幅に拡充・リニューアルし、スタートアップ・事業会社・ベンチャーキャピタル・公的機関等の多様なプレイヤーが参画する未来X(mirai cross)として始動しました。
ユニコーンファーム・田所もアドバイザーの一人として参加しています。
未来X(mirai cross)の参加企業・各社の関係性について
──今回のインタビューでは、三井住友銀行の木原様をはじめ、SMBC日興証券の磯野様、三井住友海上火災保険の椋澤様、インパクトサークルの高橋様にお越しいただきました。まずは木原様より、概要をお願いしてもよろしいでしょうか?
木原:未来X(mirai cross)は、アクセラレーションプログラム、事業会社の協業のサポートプログラム、セミナーイベントの3本柱で運営をしています。インパクトサークル様は、アクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023にて、3つの賞を受賞されました。そのうち2つが、三井住友海上火災保険の「三井住友海上賞」、SMBC日興証券の「Nikko Open Innovation Lab賞」でした。
今回は未来X(mirai cross)の取り組みをそれぞれの視点から伝えるため、関係各社の皆様にインタビューに参加していただきました。
──インパクトサークル高橋様は、アクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023のピッチ審査で見事3賞を受賞しました。事業内容を教えていただけますか?
高橋:私たちは、インパクト投資プラットフォームを構築するFinTechスタートアップ企業です。投資リターンとしての社会インパクト創出と経済的リターンの両立の実現を目指しています。
審査会では、先にご紹介いただいた2賞に加え、「GAPグラント賞 未来X(mirai cross)2023」を含めた合計3賞をいただきました。
──椋澤様と磯野様からも、簡単にご紹介をお願いします。
椋澤:未来X(mirai cross)には、事業会社パートナーとして参加しました。
インパクトサークル様には「三井住友海上賞」を授与しまして、その後も弊社のビジネスデザイン部のメンバーが協業に向けて、ほぼ毎日のように打ち合わせしております。
磯野:弊社もインパクトサークル様に「Nikko Open Innovation Lab賞」を授与しました。また、私自身はアクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023 の一次審査、二次審査、そして最終審査会での審査員を担当しました。
「Nikko Open Innovation Lab賞」は弊社との協業を積極的に検討したい企業様へ授与するもので、インパクトサークル様とは今回のことを機に、国外へのインパクトファイナンス事業の共同の立ち上げにむけて奔走しております。
アクセラレーションプログラムに挑戦して得られたこと
──高橋様には、「アクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023」に挑戦した背景や期待についてお伺いしたいと思います。
高橋:私たちは日本と海外で事業をしておりまして、日頃からSMBCにお世話になっています。その中でアクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023のご案内があり、ぜひ参加したいと思いました。
事業連携のパートナーを見つけるための良い機会になると思いますし、定期的な資金調達が必要な経営スタイルであるため、金融機関や投資家の方々をはじめとした幅広い認知を得るチャンスになると考えました。
我々はインパクト投資のスタートアップのため、投資の受け皿を作りつつ、インパクト投資家の方には新しい形での投資機会を提案したいと考えています。
投資リターンである「社会へのインパクト」の手触り感があること。そこを大切にしながら多くの投資家にリーチし、「実際にこういうインパクト投資ができるんですよ」と啓蒙していく必要性もあります。
これらを総合して、アクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023への参加は弊社にとって大きな価値があると判断をしました。
──三井住友海上火災保険の椋澤様は今回、事業パートナーとしてのご参加でした。感想はいかがでしょうか?
椋澤:私は今回、未来X(mirai cross)に、初めての参加になります。ここ数年のコロナ禍でリアルイベントに参加する機会がほとんどなかったため、久しぶりにスタートアップの皆様の熱気あるピッチをリアルで聞かせてもらえたのが良かったですね。
交流機会もオンラインが中心になっていたので、協業相手との横連携やコミュニケーションの機会が得られたのも非常に良かったと感じました。
弊社も保険以外の新たなサービスとして、「補償前後のソリューション」を今年の4月から提供を開始しました。多数のスタートアップの皆様と面談をさせていただく中で、今後に向けた新しい連携の試みも生まれ始めています。
──SMBC日興証券、磯野様はいかがでしょうか?
磯野:審査員を務めるのは今回で3回目ですが、スタートアップの皆様のピッチの質が年々と上がっていると感じます。これはプログラム自体が毎年進化していることを表していると思うんですね。
また、毎回参加する中でスタートアップにもトレンドがあることを感じています。製造業のDXが多い年もあればESG系が目立った年もある。全般的に言えるのは、社会課題の解決に対してとても熱い想いを持っている起業家が大勢いる、ということです。
弊社から「Nikko Open Innovation Lab賞」を授与したインパクトサークルの高橋様は、今日ここにいらっしゃる皆様はご存じのとおり、世の中をより良くしたいというオーラ満載で、ピッチからも日々の行動の様子がひしひしと伝わりました。
SMBC日興証券の取り組みには、新規事業創出を目的とした「Nikko Open Innovation Lab」やオープンイノベーションチームの「Funder Storm」があります。10年後、15年後に金融市場がどうなるかわからない中で、新しい市場、新しい社会の形を模索しながら、お互いに共有することが狙いにあります。
これらの活動で得られた知見を、プログラムの中ではマインドシェアという形で提供しています。こうした活動が世の中の最先端を切り拓いていくのでは。そういった視点を持って参加させていただいております。
ユニコーンファーム・田所のメンタリング支援
──アクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023には、ユニコーンファームからも田所がアドバイザーとして参加しております。今回ご指名をいただいた背景を教えていただけますか?
木原:アクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)2023では、22名のアドバイザーにお力添えいただきました。田所様には、従来から、アドバイザーの一人としてお願いをさせていただいております。
お願いした背景としては、著書である『起業の科学』の中で体系的に整理された理論、多角的な視点で事業を捉えている様子を伺えたことが大きいです。当プログラムでは資金調達やブランディング、チームビルディングなど多岐にわたる研修を用意していますが、田所様であれば、これらを網羅的にご指導いただけるのではと考え、お声がけをさせていただきました。
今回、登壇されたスタートアップの皆さまは、メンタリングの成果もあり、洗練されたピッチをされ、各社との協業も進んでいると運営からも実感できました。
──今のお話を受けて、高橋様からもメンタリングの感想をいただけますでしょうか?
高橋:田所様のことは著書だけでなく、インターネット上の情報も色々と拝見しておりました。そのため、メンタリングではどんなフィードバックをいただけるのかがとても楽しみでした。
実際にピッチ資料のアドバイスなどをいただき磨き込みができたため、それが今回の協業にもつながったと思いますし、それ以外の企業の方々にも周知できたように思います。
さまざまなストラクチャーで事業面、組織面のことを整理されており、ものの味方、視点の豊富さにも得るものが多くあったと感じました。
──木原様から改めて、田所のメンタリングをお勧めしたい企業があれば教えていただきたいと思います。
木原:田所様のお持ちになっているノウハウは本当に素晴らしいと思っています。
さまざまな事象を構造化して整理することや、メンタリングを得意とされ、スタートアップ業界のキーマンとも言える方ですので、シード・アーリー期のスタートアップの皆さまにはぜひお勧めしたいです。
スタートアップの機運が盛り上がる今こそ挑戦を
──最後になりますが、スタートアップの未来という視点から皆様の今後の展望を伺いたいと思います。木原様からよろしいでしょうか?
木原:未来X(mirai cross)は、2015年から取り組む様々な運営ノウハウも蓄積し、日々改善を続けています。その中でも主要な取組であるアクセラレーションプログラムにおいて、今まで以上に充実したプログラムを提供できると思っております。
国もスタートアップ育成5か年計画を発表するなど、スタートアップを後押しするような施策が打ち出されています。こうした機運を捉え、我々としてもより多くの企業を巻き込みながらスタートアップエコシステムを駆け足で作っていくためにも、今年も、多くの方にアクセラレーションプログラムに参加していただければと考えています。
椋澤:先ほど申し上げたとおり、弊社では保険以外の事業をこの4月から本格的にスタートさせています。
「補償前後のソリューション」は現時点で12のラインナップがあります。各ソリューションは大企業やスタートアップ企業との協業で成り立っており、外部企業との連携が必須と考えています。今後も新たなソリューションを追加していく予定で、ソリューション構築にあたってのアライアンス先は1社だけではなく、複数社との連携も有り得ます。
未来X(mirai cross)のプログラムをはじめ、多くの場でスタートアップ企業の皆さまと交流し新規ビジネスを創造することで、関係各社にとってWin-Winの関係を築けたらと思っています。
磯野:未来X(mirai cross)のような場が世の中に必要であるという認識は、今回参加された皆様は実感していることと思います。少しずつでも、スタートアップと事業会社の共創が生まれる場が広がっていくことが楽しみです。
弊社もインパクトサークル様との協業もスタートしましたので、これからどのような展開を世の中にお見せできるのか、非常に大きな期待があります。
高橋:皆様のお話はとても共感する部分が多かったです。未来X(mirai cross)を通じて、三井住友海上火災保険様やSMBC日興証券様との事業連携もできましたので、まずは1年後にお披露目できるものができるよう頑張りたいと思います。
それによって未来X(mirai cross)の実績がまた一つ生まれれば、プログラム自体の価値もさらに向上すると考えています。世の中の社会課題を少しでも早く解決するためにも、こうした場は不可欠だと考えます。
──ユニコーンファームとしても、未来X(mirai cross)の発展に貢献できるよう運営メンバーの皆様とブラッシュアップを重ねたいと思います。本日はお時間をいただき、ありがとうございました!
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アクセラレーションプログラム 未来X(mirai cross)2024 募集開始
未来X(mirai cross) https://mirai-cross.ventures/
ユニコーンファームではスタートアップ、新規事業を支援しています。
是非、お問い合わせください。